えんじゅ

小さな田舎町の肉屋

小さな町の肉屋


 喧噪から離れた小さな田舎町の肉屋。


 「いや〜寒いっすね〜。今晩は水炊きにしたいので、豚バラください。」

 「1人分?こないだは量足りた?」

 「1人ですけど、こないだよりもうちょっと多い方がいいですね。」

 「あいよ〜。野菜もたくさん食べなよ。」


 ここで売られている肉には、バーコードは付いていない。作りたい料理と人数を伝えると、親父さんがそれに合わせて適当な種類と分量を取り分けてくれる。そして親父さんはいつも、何でもない言葉を数ミリグラム包んでくれる。
 
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