えんじゅ

ノミ仕事

ノミ仕事

 まだ一度たりとも聞かれたことはないけれど、もし「一番好きな工具は何?」と聞かれたら、僕はすぐさま「ノミ!」と答えるだろう。その理由は、複雑な3次曲面をいとも簡単に彫ることができるからだ。

フォーク

 たとえばフォーク。この複雑な曲面を数式に表せと言われたら、大数学者でもタジタジしてしまうに違いない。そんな複雑な曲面も、ノミのおかげで僕はやすやすと彫ることができる。つまり、ノミさえあれば、僕は大数学者よりもエラくなれるのだ。
 僕はノミを使う仕事を「ノミ仕事」と呼んでいる。梅仕事みたいでなんだかプロっぽく聞こえるでしょ?

スプーンとフォーク

 もうすぐ7ヶ月の息子が離乳食を食べるようになったので、スプーンとフォークを彫ろうと思って、久しぶりにノミ仕事をした。できたスプーンを息子に渡す時には、「どんな困難にも匙を投げるんじゃないぞ!」と人生訓を垂れよう、とニヤニヤしつつ。
 ノミ仕事を終えて完成品を前にすると、ノミが彫り出す曲面の美しさにうっとりしてしまう。ノミだけに、「ホレボレ」とするのだった。
 
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